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だから、わが家はカラフル。“外”の色彩と刺激を住まいにアウトプット。
ART & MUSIC 2024.05.09

だから、わが家はカラフル。“外”の色彩と刺激を住まいにアウトプット。

心からリラックスできることだったり、とことん、趣味に没頭できることだったり、住まいに求めるコトは千差万別。なかでもAlohaさんが自宅に求めたのは“カラフル”であること。その望みどおりにAlohaさんの住まいは色彩豊か。その理由を知れば、インドア派よりアウトドア派であればこそ、自宅をカラフルに彩りたくなる。

INFORMATION
Aloha(会社員)
Aloha(会社員)
2011年に戸建てを新築し、夫と息子との3人暮らし。幼少期から抱いていた「ペンキの塗れる家に住みたい」という念願と、長くアパレルに勤務し、さまざまな洋服の色彩に触れてきた経験も相まって、自ら自宅の壁をペンキ塗装。住まいの様子をInstagramから発信し、メディアに取り上げられることも多い。

飽きずに暮らしていくために、鮮やかに表情を変える壁。

Alohaさんの住まいをひと言で表現するなら、色彩豊か。リビングダイニングだけを切り取ってもピンクとグリーンの壁に、ダイニングテーブルにセットされたチェアはイエローとライトブルー。ゆらゆらと揺れるモビールも、鮮やかな壁を背景に飾られたペインティングも多色に彩られ、空間そのものがアートさながらに映る。

「わが家は確かにカラフル。特に壁はダイニングスペースを筆頭に、15回くらいは色の塗り替えをしています。でも、特別なことをしている意識は微塵もなくて、頻繁に壁の色を塗り替えることは、暮らしていくために必要な当然の行為。そうでもしないと、すぐに自宅に飽きてしまうから(笑)」

このときはピンク色の壁も、住まいが完成した当初は南国の海を思わせるライトブルー。以来、この壁はさまざまに表情を変化させ、時には鮮やかにして深みのあるパープルだったことも、ブルーとホワイトのストライプだったことも、はたまた、大胆にも4色をあしらったデザインだったこともある。しかも、その塗装はすべてがDIY。

失敗したって、また塗り替えればいいだけのこと。

「家を建てたのは2011年のこと。戸建てを考え始めた当初から“色を塗り替えられる壁”にすることを念頭に、日本の住宅に一般的なビニールクロスではなく、ペンキ塗装を前提とした専用の壁紙を張ってもらったんです。新築当時と初めての塗り替えはプロにお願いしましたが、プロの方に塗装のコツを聞いたところ、想像以上に簡単で!」

そのコツとは、唯一、養生だけは丁寧にすること。養生の手間さえ惜しまなければ、後はペンキに浸したローラーを転がし、部屋の角をはじめとする細かな部分には刷毛を滑らせるだけ。Alohaさんが塗装のコツを知り、初めて本格的な壁の塗り替えに挑戦したのは、住まいの完成から4年後のこと。今ではわずか2時間ほどで、壁一面の塗装を完了させられるとか。

「壁の塗装はペンキの二度塗りが基本。本来なら一度目の塗装の後に自然乾燥させるところ、私は扇風機の風を当てて乾かしてしまうので、完成までが早いんです(笑)。それに、ちょっとした失敗くらいはご愛敬。もし、どうしても気になるようなら、また塗り替えるだけ。いつもより少し時間をかけた、お掃除くらいの感覚ですね(笑)」

家づくりの原体験は、ペンキ塗装されたアメリカンハウス。

失敗してもご愛敬。気になるようなら、また塗り替えればいい。それほどまでにカジュアルに、フットワーク軽く壁の色を塗り替えられる理由。それはかつて垣間見た、海外の文化にあるという。Alohaさんの伯母はアメリカ・ロサンゼルス在住。伯母の家を初めて訪れたのは、小学生のころのこと。

「伯母の住まいは、ペンキ塗装されたラップサイディングの外壁が印象的なアメリカンハウス。そんなおうち、日本ではなかなか見掛けません。伯母の家を初めて訪れたときから“ペンキの塗れる家に住みたい!”と思っていたんです。しかも、アメリカの人たちは壁を塗り替えることも、家具を修繕することも、自分たちでやるのが当たり前」

家づくりの原体験としてあるのは、DIYが当然の文化として根付いたアメリカの住宅。だからこそ、Alohaさん自身もDIYが当たり前。それは壁の塗り替えにとどまらず、ブリックタイルの壁と調和する、デザインホテルさながらに洗練された洗面所は、タイルの施工から洗面ボウルや水栓の設置までDo It Yourself。

そして、伯母の住まいを訪れたことをきっかけにアメリカに魅了されたAlohaさんは、大のハワイ好きでもある。そのことを物語るのが、いかにもリゾート感の漂うアウトドアリビング。DIYが当たり前であることと同様に、日差しを浴びながら食事をすることも、夜風を感じながらグラスを傾けることも家族の日常のひとコマ。

“家にいるのが好きじゃない!”からこその、カラフル。

「DIYも私だけでなく、家族にとっての日常です。洗面所のDIYには夫が汗をかいてくれたし、壁の塗り替えは息子も一緒に、家族でやることも珍しくありません。衣替えみたいに、今では季節ごとにダイニングスペースの壁を塗り替えているので、10歳になった息子もついに“自分の部屋も壁の色を変えたい”と言い出しました(笑)」

色彩豊かな住まいに暮らすこと。もしかするとそれは、ひとつの情操教育。驚くなかれ、Alohaさん夫妻の寝室に飾られたペイントアートや子供部屋に飾られたレゴアートは、息子さんの作品。どちらも住まいのカラフルさに負けず劣らず、色彩豊か。この家に生まれ、この家に育ったゆえの色彩感覚なのでは、と思わずにはいられない。

「でも、私たち家族はキャンプが趣味のアウトドア派。私に至っては“家にいるのが好きじゃない!”と断言できるくらいです(笑)。私からすれば、だからこそのカラフルな家。頻繁に塗り替える壁の色も、部屋に飾ったアートや雑貨も飽きずに暮らすためのツールであり、“外で見つけた素敵なモノゴト”をアウトプットした結果なんです」

多くの人にとって、自宅は憩いの場所。その反面、確かに家の外には色彩も刺激もあふれている。そう、外から吸収してきた刺激と色彩が次々と反映されていくからこそ、Alohaさんの住まいも絶え間なく表情を変えていく。

  • Photo/Takahiro Kikuchi
  • Text/Kyoko Oya
LL MAGAZINE